転向したての頃、ポイントを取った瞬間に「よっしゃー!」と叫びそうになって、慌てて口をつぐんだことがあります。軟式テニスを6年やってきた私にとって、声出しは試合の一部でした。でも硬式テニスのコートは、思っていた以上に静かだった。

この記事でわかること
  • 軟式テニスの声出し文化の実態(応援も含めた全体像)
  • 硬式テニスの試合中の雰囲気とルールの背景
  • 転向者として感じた正直な気持ち

軟式テニスの声出し文化、知っていますか

私がいた軟式テニス部では、相手のミスにも「よっしゃー!」と声を上げていました。

軟式テニスをやっていた6年間、声出しはごく普通のことでした。ポイントを取れば「よっしゃー!」、相手がミスをしたときも「よっしゃー!」。自分のサービスエースでも、相手のダブルフォルトでも、同じテンションで叫ぶ。

掛け声のバリエーションも豊富で、「ラッキー」はスタンダード。「L・U・C・K・Y!」とスペルアウトして叫ぶパターンもありました。傍から見たらかなりシュールだったと思いますが、当時はそれが普通でした。

そして声を出すのは選手だけではありません。ベンチで応援しているチームメンバーも、コートの外から観ている先輩も、全員一緒になって声を上げる。試合中は常にどこかから誰かの叫び声がしている状態で、体育館全体が揺れるような雰囲気でした。

実は軟式の声出し、賛否が分かれている

相手のミスを喜ぶ声出しは、軟式界の中でも「どうなの?」という声があります。

ここで正直に書くと、私は当時からこの文化があまり得意ではありませんでした。自分がミスしたとき、相手コートから「よっしゃー!」と叫ばれるのが、なんとなく嫌で。自分が勝ったとき、相手のミスで「ラッキー!」と言うのも、どこかに引っかかるものがありました。

これは私だけの感覚ではないようで、SNSを見ると「相手のミスで喜ぶのはマナーが悪い」「やっぱり変だよね」という声が出てくる一方、「野球もサッカーも相手のミスで盛り上がるじゃないか」「スポーツとしては普通では」という擁護意見もあります。

日本ソフトテニス連盟の規則には「過度のかけ声、または相手を不快にする発声をしないこと」という記載があります。ルール上は禁止ではないが、やりすぎはダメ——という線引きになっているわけです。それでも「毎ポイントで優勝したのかというくらい叫ぶ」ような状況が続いているのは、長年かけて根付いてしまった文化の惰性なのかもしれません。

硬式テニスのコートは、静かだった

硬式テニスに転向して最初に感じたのは、「あ、静かだな」ということでした。

私が転向した硬式の環境では、ポイント後の声も比較的控えめでした。自分に言い聞かせるような小声で一言つぶやいて、軽くガッツポーズ。応援している側も、相手に向かって叫ぶのではなく、仲間に小さく声をかける程度です。

ポイント後に喜ぶ声と、プレー中に相手を妨げる声は分けて考える必要があります。硬式テニスはインプレー中に大声を出すと「ヒンダランス(妨害)」として失点になる場合があります。コーチングは大会の規定によります。2026年のITF規則では、主催側がコート外からのコーチングを認める場合があります。ただし、ポイントのプレー中には認められません。ITF競技規則の第30条・付録IVで確認できます。

私が経験した環境での違いを整理すると、次のようになります。競技全体で一律に決まった応援方法ではありません。

軟式テニス硬式テニス
声の方向相手・外に向かって自分・味方に向けて
声の大きさ大声で叫ぶ小声〜ほぼなし
応援の参加全員で一緒に叫ぶ静かに味方へ声をかける
ルールの扱い連盟は「過度はNG」だが慣例化相手のプレーを妨害する発声は失点になりうる

おもしろいのは、硬式でもセルフジャッジ(アウト・フォルトのコールを自分でする)では「はっきりした大きな声」が求められる点です。インプレー中の声は抑えるのに、ジャッジのコールだけはしっかり声を出す。転向したての頃は、このメリハリにも戸惑いました。

転向して、正直ほっとした

硬式の静かな雰囲気は、私には正直、合っていました。

軟式時代からあの声出し文化が得意じゃなかった私にとって、硬式のコートは居心地がよかったです。相手がミスしても叫ばなくていい、プレーに集中できる——それだけで、なんとなくすっきりした気持ちで試合ができました。

もちろん、全員がそう感じるわけではないと思います。転向者の中には「硬式は盛り上がりに欠ける」「静かすぎてテンションが上がらない」という声もあります。軟式の声出し文化に「仲間と一緒に戦っている一体感」を感じていた人にとっては、硬式の静けさは物足りないかもしれません。

ここで書いたのは、私がいた部活や試合で感じた違いです。声や応援の仕方は、チームや大会によっても変わります。ただ、転向する前に知っておけば、最初のカルチャーショックが少し和らぐんじゃないかと思って書きました。

あなたは軟式の声出し文化、好きでしたか?

声出し以外にも、ルール・ボール・打ち方まで軟式と硬式の違いを転向者目線で全部まとめた記事はこちらの記事です。

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Dr.独特

中学・高校の6年間、ソフトテニス部に所属。大学に入って硬式テニスに転向しました。

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