軟式テニスを6年やってきて、大学で硬式に転向しました。
いざ転向してみると、ルールも道具も打ち方も「全部違う」と感じる場面の連続でした。しかも調べていくと、発祥の時点からそもそも別の競技として育ってきたんですよね。「軟式と硬式って何がどう違うの?」と聞かれることが多いので、転向者として両方経験した立場から、発祥からコートの雰囲気まで全部まとめてみます。
- 軟式と硬式の発祥・歴史の違い
- ルール(ネット高さ・スコア・ゲーム数・ボールの扱い)の違い
- 道具(ラケット重さ・面サイズ)の違い
- 打ち方(フォア・ボレー・ダブルス)の違い
- コートの雰囲気・掛け声の違い
軟式と硬式の発祥・歴史の違い
軟式は日本発祥、硬式は英国発祥——この時点で、もともと別の競技なんです。
硬式テニス(ローンテニス)はイギリスで生まれ、1880年代に日本へ伝わりました。ところが当時の日本では、硬式ボールが高価で手に入りにくかった。そこで1884年(明治17年)、東京高等師範学校(現在の筑波大学)の坪井玄道らが、ゴムボールを代わりに使って始めたのが軟式テニスのはじまりとされています。
つまり軟式は「硬式ボールが買えなかったから」日本独自に生まれた競技。転向してからこれを知ったとき、「だからこんなに違うんだ」と妙に腑に落ちました。競技のルーツが違うので、文化ごと違って当然なんですよね。
軟式と硬式のルールの違い
ネット高さ・スコアの数え方・ゲーム数・ボールの扱い——全部違います。
ネットの高さ
硬式はセンターベルトで中央を引き下げているため、中央が91.4cm・両端が107cmと中央の方が低いです。軟式はセンターベルトがなく、端から端まで107cmで水平。なので硬式の方がネットの中央が「低い」という特徴があります。
スコアの数え方
軟式のスコアは「0・1・2・3」とシンプル。硬式は「ラブ(0)・15・30・40」と独特のカウント方式です。最初は「なぜ15から始まる?」と戸惑いましたが、慣れると自然に呼べるようになりました。
ゲーム数
軟式は7ゲームマッチ(4ゲーム先取)が主流で、3対3で並んだときは「ファイナルゲーム」として7ポイント先取の1ゲームを戦います。硬式は6ゲーム先取のセット制が基本で、6対6になったらタイブレーク(7ポイント先取)。
ボールの使い回し
転向して地味に驚いたのがここです。軟式ボールは空気を補充すれば何度でも使えますが、硬式は公式試合になると毎回新しいボールを使います。「ボールは消耗品だから使い捨て」という感覚が硬式では当たり前で、最初は贅沢だなと思ってしまいました。
軟式と硬式の道具の違い
ラケットは硬式の方が重く、面が広く、グリップが太い——別の道具です。
軟式ラケットは240〜260g程度で、ラケット面も70〜80平方インチほど。一方、硬式ラケットは270〜310gほどあり、面サイズも100平方インチ前後が主流です。グリップも太くなります。
転向してラケットを持ち替えた瞬間の正直な感想は「重い」の一言でした。最初の練習で振り遅れが続いて、自分のスイングがガタガタになった感覚があります。ラケットの重さに慣れるのが転向初期の最初の課題だと思います。
ラケット選びの詳細はこちらの記事にまとめています。

軟式と硬式の打ち方の違い(ショット別)
ショット別に見ると、軟式経験が活きる場所と苦労する場所がはっきり分かれます。
フォアストローク
軟式は「ボールを真っすぐ当てるフラット打ち」が基本です。硬式では「スピン(回転)をかけてコートに落とす」打ち方が主流になります。軟式の癖でフラットに当てようとすると、硬式ボールは飛びすぎてアウトになる。転向後の最初の壁がここでした。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。

ボレー
ここは意外と軟式経験が活きます。ただしグリップが違って、硬式のボレーはコンチネンタルグリップ(包丁持ち)が基本。フォアもバックも同じグリップで「振らず当てる」のが硬式流です。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。

ダブルス
軟式は前衛・後衛のポジションが固定されていますが、硬式はポジションが試合中に流動的に変わります。「前衛がずっと前にいる」という感覚で動いていると、硬式のダブルスではポジションがズレていきます。最初にかなり戸惑いました。
軟式経験が硬式でどう活きるか・苦労するかの全体像はこちらの記事をどうぞ。

軟式と硬式の掛け声・転向後に感じたコートの雰囲気の違い
これは転向前に誰も教えてくれなかった違いです。軟式は声が出る、硬式は静か。
軟式は声出し文化が強いです。得点したときの「よっしゃ!」「一本リード!」「もう一本!」はもちろん、打つときに「おいっ!」と気合を入れる声、ペア同士の掛け合いがコートに飛び交っています。相手がダブルフォルトをしたときに「ラッキー!」と声をかけることも軟式では一般的です。
硬式は対照的に、コートが静かです。相手のミスに「ラッキー」と声をかけるのはマナー違反とされていて、審判から注意されることもあります。転向して最初の練習でコートに立ったとき、「あれ、なんか静かだな」と感じた記憶があります。
声出しが当たり前の環境で育ってきたので、硬式のコートでどの程度声を出していいのか最初は正直わかりませんでした。硬式でも気合の声自体はOKですが、相手を巻き込む掛け声のマナーは軟式とはかなり違います。
よくある質問
Q. 軟式と硬式、どちらが難しいですか?
A. 「難しい」の基準によりますが、軟式出身者が硬式に転向すると、フォアストロークと道具の重さに最初苦労することが多いです。逆にサーブ・ボレー・スマッシュは軟式経験がそのまま活きます。
Q. 軟式経験があると硬式でも有利ですか?
A. ショットによってはかなり有利な場面があります。ただしフォアの癖は出やすいので、有利と不利が混在する形です。詳しくはこちらの記事をどうぞ。
Q. 転向にはどんなラケットを選べばいいですか?
A. 転向直後は270〜290g程度の「標準的な重さ」のラケットから始めるのがおすすめです。詳しくはこちらの記事をどうぞ。
まとめ
- 軟式は1884年に日本で生まれた日本独自の競技。硬式は英国発祥のローンテニスが起源
- ネット高さ・スコアの数え方・ゲーム数・ボールの使い回しが全部違う
- ラケットは硬式の方が重く・面が広く・グリップが太い。転向後はまず「重さ慣れ」が最初の課題
- フォアは打ち方の構造から違う。ボレー・サーブ・スマッシュは軟式経験が活きやすい
- 掛け声・声出し文化は軟式が圧倒的に賑やか。硬式では相手への「ラッキー」はマナー違反

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