軟式テニスを6年やってきて、大学で硬式に転向しました。
転向して戸惑ったのは、ボールの飛び方と道具の重さでした。一方、サーブやボレーには軟式の経験が活きる部分もありました。ここでは、転向前に確認したい道具とルールの違い、実際に打って感じた違いをまとめます。
- ラケットの見分け方と使い分け
- ルール(ネット高さ・スコア・ゲーム数・ボールの扱い)の違い
- ボールの違い(重さ・素材・バウンド)
- ラケットを持ち替えるときに比べたい仕様
- 打ち方(フォア・ボレー・バックハンド・サーブ・スマッシュ・ダブルス)の違い
- コートの雰囲気・掛け声の違い
軟式テニスと硬式テニスの違い早見表
道具やルールの違いと、私が転向して感じた違いを分けてまとめました。
| 項目 | 軟式テニス | 硬式テニス |
|---|---|---|
| 発祥 | 日本(1884年) | イギリス |
| ボール | ゴム製・約30g | ゴムの芯をフェルトで覆う・56.0〜59.4g |
| ラケット重量 | モデルによる | モデルによる |
| 面サイズ | モデルによる | モデルによる |
| ネットの高さ | 全長107cmで水平 | 中央91.4cm・両端107cm |
| スコア | 0・1・2・3 | 15・30・40 |
| 私のフォアの感覚 | 面で押す感覚が強かった | 回転をかける感覚を練習中 |
| 私がいたコートの雰囲気 | 声出しが盛ん | 静か |
軟式と硬式のラケットの違い・見分け方
軟式用か硬式用かは、見た目や重さだけでなく、製品名とメーカーの用途表示で確認します。
ラケットの重量や面サイズには、軟式・硬式それぞれに幅があります。硬式だから必ず重い、軟式だから必ず小さいとは限りません。持ち替えるときは、今使っているモデルと候補の仕様を比べてください。グリップの太さも、競技名ではなくサイズ表示で選びます。
転向してラケットを持ち替えた瞬間の正直な感想は「重い」の一言でした。最初の練習で振り遅れが続いて、自分のスイングがガタガタになった感覚があります。ラケットの重さに慣れるのが転向初期の最初の課題だと思います。
軟式ラケットと硬式ラケットの見分け方
形が似ているラケットもあるため、細身だから軟式用、面が広いから硬式用とは言い切れません。手元のラケットは、次の順で確認してください。
- フレームやシャフトの製品名・品番を読む。色やブランド名だけでは判断しません。
- メーカーの商品ページやカタログで用途を確かめる。「テニス」「ソフトテニス」のどちらの商品かを確認します。
- 表記が読めない場合は販売店で確認する。古いモデルや中古品は、似た外観の商品から推測して使わないようにします。
軟式用と硬式用のラケットは使い分ける
「軟式ラケットで硬式ボールを打てるか」と迷ったら、硬式用を用意してください。反対に、硬式ラケットを持っていても、それだけでソフトテニスに適しているとは判断できません。打ち返せるかどうかと、製品の想定用途に合うかは別です。各製品の取扱説明やメーカーの案内を確認しましょう。
ラケット選びの詳細はこちらの記事にまとめています。
軟式から硬式に転向する人のラケットの選び方【失敗しないポイント】記事を読む →軟式と硬式の発祥・歴史の違い
ソフトテニスは、日本に伝わったローンテニスをもとに、日本独自のゴムボールを使って発展した競技です。
日本ソフトテニス連盟の歴史紹介では、1880年ごろに英国からローンテニスが伝わり、1884年にゴムボールを使う軟式庭球が生まれたとされています。詳しくは日本ソフトテニス連盟の紹介を参照してください。
軟式と硬式のルールの違い
転向時にまず確認したいのは、ネットの高さ、得点の数え方、参加する試合の形式です。
ネットの高さ
硬式はセンターベルトで中央を引き下げているため、中央が91.4cm・両端が107cmと中央の方が低いです。軟式はセンターベルトがなく、端から端まで107cmで水平。なので硬式の方がネットの中央が「低い」という特徴があります。
スコアの数え方
軟式のスコアは「0・1・2・3」とシンプル。硬式は「ラブ(0)・15・30・40」と独特のカウント方式です。最初は「なぜ15から始まる?」と戸惑いましたが、慣れると自然に呼べるようになりました。
ゲーム数
軟式では7ゲームマッチ(4ゲーム先取)などが使われ、3対3ではファイナルゲームになります。硬式では6ゲームで1セットを取る形式がありますが、通常は2ゲーム差が必要です。タイブレークを行うセットでは6対6からタイブレークへ進みます。どちらも大会によって形式が変わるので、参加前に要項を確認してください。
ボールの使い回し
転向して地味に驚いたのがここです。軟式ボールは空気を補充して調整できますが、硬式の試合では新球を使うことがあり、ボールの交換方法は大会によって決まります。すべての公式試合で毎回交換する、という一律のルールではありません。「ボールは消耗品だから使い捨て」という感覚が硬式では当たり前で、最初は贅沢だなと思ってしまいました。
軟式と硬式のボールの違い
ゴムボールとフェルトボール。重さは約2倍違います。
軟式は空気を入れるゴムボール、硬式はゴムの芯をフェルトで覆ったボールです。一般的な硬式ボールの重量規格は56.0〜59.4gで、約30gの軟式ボールより重くなります。硬式の規格はITF競技規則の付録Iで確認できます。
打感もまったく違います。軟式ボールは当たりが柔らかく、打つ瞬間にボールがつぶれる感覚がありますが、硬式ボールでは、同じつもりで振っても飛び方が変わりました。
ボールの重さは大きな違いですが、飛び方は重さだけでは決まりません。素材や反発、ラケットとストリング、スイングも関わります。転向後は「重いからこう打つ」と決めつけず、実際の球の軌道を見て調整する必要がありました。
軟式と硬式の打ち方の違い(ショット別)
ショット別に見ると、軟式経験が活きる場所と苦労する場所がはっきり分かれます。
フォアストローク
私には、軟式のフォアは面でボールを押す感覚が強く残っていました。軟式でも回転を使うので、「軟式はフラット、硬式はスピン」と一律に分けられるわけではありません。硬式では「スピン(回転)をかけてコートに落とす」打ち方が主流になります。軟式の癖でフラットに当てようとすると、硬式ボールは飛びすぎてアウトになる。転向後の最初の壁がここでした。
フォアで見直したテイクバックや手首の使い方は、こちらの記事にまとめています。
軟式から硬式転向でフォアが打てない——3つの壁と実際に効いた直し方記事を読む →ボレー
ここは意外と軟式経験が活きます。ただしグリップが違って、硬式のボレーはコンチネンタルグリップ(包丁持ち)が基本。フォアもバックも同じグリップで「振らず当てる」のが硬式流です。
転向後のボレーで確認したい握り方と練習は、こちらの記事にまとめています。
軟式出身者がボレーで詰まる理由と、実際に効いた練習ステップ記事を読む →バックハンド
私には、バックハンドはフォアより軟式の癖が出にくく感じられました。慣れていた片手の動作から両手バックへ変えたため、別の動きとして覚えやすかったのだと思います。
片手から両手へ変えたバックハンドの感覚は、こちらの記事にまとめています。
軟式と硬式のバックハンドの違い|転向後に両手バックを覚えた私の感覚記事を読む →サーブ・スマッシュ
上から打つオーバーヘッドの動作は軟式も硬式も共通です。トスを上げてラケットを振り上げる動きは軟式で散々やってきているので、転向後も違和感が少なく、軟式経験が一番素直に活きる場所でした。
違いを挙げるなら、硬式はスライスやスピンなど回転を使うサーブがあることです。軟式のカットサーブのような変化とは方向性が違いますが、「入れにいくサーブ」と「攻めるサーブ」を使い分ける感覚自体は共通しています。
ダブルス
軟式では前衛・後衛に役割を分ける陣形がよく見られますが、固定がルールで決まっているわけではありません。一方、硬式はポジションが試合中に流動的に変わります。「前衛がずっと前にいる」という感覚で動いていると、硬式のダブルスではポジションがズレていきます。最初にかなり戸惑いました。
軟式経験が硬式でどう活きるか・苦労するかの全体像はこちらの記事をどうぞ。
軟式経験者は硬式テニスで有利か不利か、転向者が正直に答える記事を読む →軟式と硬式の掛け声・転向後に感じたコートの雰囲気の違い
これは転向前に誰も教えてくれなかった違いです。私がいた軟式の部活は声出しが盛んで、転向先の硬式は比較的静かでした。
私が経験した軟式の部活では、声出しが盛んでした。得点したときの「よっしゃ!」「一本リード!」「もう一本!」はもちろん、打つときに「おいっ!」と気合を入れる声、ペア同士の掛け合いがコートに飛び交っています。私のいた環境では、相手のダブルフォルトに「ラッキー!」と声をかける場面もありました。
私が転向した硬式の環境では、比較的静かでした。相手のミスに「ラッキー」と声をかけるのはマナー違反とされていて、審判から注意されることもあります。転向して最初の練習でコートに立ったとき、「あれ、なんか静かだな」と感じた記憶があります。
声出しが当たり前の環境で育ってきたので、硬式のコートでどの程度声を出していいのか最初は正直わかりませんでした。硬式でも気合の声自体はOKですが、相手を巻き込む掛け声のマナーは軟式とはかなり違います。
この声出し文化のカルチャーショックはこちらの記事で詳しく書いています。
軟式と硬式テニスの声出し・応援の違い|転向して感じたコートの雰囲気記事を読む →よくある質問
Q. 軟式と硬式、どちらが難しいですか?
A. 競技全体の難しさは一概に比べられません。私が転向して苦労したのは、フォアストロークと道具の重さでした。サーブ・ボレー・スマッシュでは、軟式の経験が助けになりました。
Q. 軟式経験があると硬式でも有利ですか?
A. ショットによってはかなり有利な場面があります。ただしフォアの癖は出やすいので、有利と不利が混在する形です。詳しくはこちらの記事をどうぞ。
Q. 転向にはどんなラケットを選べばいいですか?
A. 私は300g・100平方インチを使っていますが、全員の適正値ではありません。軽いモデルも試し、続けて打ったときの振りやすさで選びましょう。選び方はこちらの記事にまとめています。
Q. 軟式ラケットで硬式ボールを打ってもいいですか?
A. 硬式を始めるなら硬式用ラケットを用意してください。軟式用と硬式用は想定するボールが異なります。製品名から用途を調べ、不明ならメーカーや販売店に確認しましょう。
まとめ
- 軟式は1884年に日本で生まれた日本独自の競技。硬式は英国発祥のローンテニスが起源
- ネットの高さや得点の数え方が違う。試合形式とボール交換は大会要項で確認する
- 硬式ボールは軟式より重い。打球感には重量だけでなく反発や道具も関わる
- ラケットはモデルごとに比較する。重量だけで軟式用・硬式用を判別しない
- 私にはフォアの調整が難しかった。ボレー・サーブ・スマッシュには軟式経験が活き、両手バックは別の動作として覚えやすかった
- 声出しの雰囲気は所属先でも変わる。相手への配慮と、プレーを妨げないことを大切にする
