軟式テニスを6年やって硬式に転向したとき、フォアストロークには本当に苦労しました。ところがバックハンドは、なぜか最初からある程度形になった。転向者仲間に聞いてみると、同じ感想を持っている人が少なくありませんでした。
私には、軟式の片手バックと硬式の両手バックの違いが、かえって覚えやすく感じられました。フォアほど、慣れた動作に引っ張られなかったのです。この記事では、私が感じた違いと、両手バックハンドの基本をまとめます。
- 軟式から硬式へ転向した私がバックハンドを覚えやすかった理由
- 軟式の片手バックと硬式の両手バックで変わる動作
- 最初に感じた「力が入らない」感覚の正体と対処
- 両手バックハンドの基本(グリップ・テイクバック・打点・フォロースルー)
軟式から硬式へ転向した私がバックハンドを覚えやすかった理由
フォアストロークで苦戦した軟式の癖が、バックハンドではほぼ顔を出してきません。理由は単純で、軟式のバックハンドと硬式の両手バックハンドは、打ち方が根本的に別物だからです。
私が慣れていたのは軟式の片手バックです。硬式では両手バックを覚えたので、手の使い方から変わりました。ここでは、その二つを比べます。軟式・硬式のすべての打ち方を二分するものではありません。
フォアストロークの場合、「軟式でも使っていた動作の延長」として体が勝手に動いてしまい、それが癖になります。バックハンドは「記憶にない動作」なので、ゼロから体に入れやすい。私にとっては、この違いが覚えやすさにつながったのだと思います。
軟式と硬式でどのショットが有利・不利かの全体感については、こちらの記事にまとめています。
軟式経験者は硬式テニスで有利か不利か、転向者が正直に答える記事を読む →軟式の片手バックと硬式の両手バックは動作が違う
握り方・使う面・手の数を分けると、違いを整理しやすくなります。
ソフトテニスでは、フォアと同じ握りのまま片手でバックを打つ形があります。ただし、握り替える打ち方もあり、全員が同じではありません。ここで比較しているのは、私が慣れていた片手の動作と、硬式で覚えた両手の動作です。
硬式にも片手バックと両手バックの両方があります。両手で支えれば打ちやすい場面もありますが、ボールが重いから両手でなければ打てない、ということではありません。
軟式の打ち方を硬式へ持ち込む前に確認したいこと
同じ「バックハンド」でも、握りを変えるか、どちらのラケット面を使うか、片手か両手かで動作が変わります。「軟式打ち」「硬式打ち」という呼び名だけでは、同じ動きを指しているとは限りません。
転向後に球が安定しないときは、握り替えた後の面の向き、体から打点までの距離、両手と体の回転が合っているかを分けて確認すると、相談する内容も具体的になります。軟式で慣れた握りを、そのまま硬式の両手バックへ当てはめないことが出発点です。
それでも感じた「力が入らない」感覚
最初は、形は作れるものの、なんとなく力が伝わっていない感覚がありました。両手で持っているのに、思ったより球が飛ばない。
上の手(非利き手)に力を入れすぎていたのではないかと考えました。ただし、「上の手はサポートに徹する」が両手バックの基本というわけではありません。USTAの指導資料では、非利き手でスイングを進めることを重視しています。
「上の手は添えるだけ」という意識に切り替えたところ、振り抜けるようになりました。私には、力みを減らすための意識として役立ちました。上の手を実際に使わない、という意味ではありません。
両手バックハンドの基本
ここからは両手バックハンドを4つのポイントに分けてまとめます。「ゼロから作る」前提で、一つずつ体に入れていくのがおすすめです。
グリップ
下の手(利き手)はコンチネンタルかイースタングリップが基本です。フォアよりグリップを薄め(ラケット面を立てた方向)に持ち替える感覚で入れます。
上の手(非利き手)はフォアハンドのイースタングリップ程度が一般的です。「フォアハンドで持つのと同じ感覚で上の手を添える」とイメージしやすいです。
最初から細かくグリップを調整しようとすると混乱しやすいので、まず「下の手は薄め、上の手はフォアと同じ感覚」だけを意識して入るのがおすすめです。
テイクバック
両肩を回して体ごとターンするのが基本です。フォアと同様、ラケットを引きすぎないことが安定につながります。
テイクバックでラケットヘッドを高く持ち上げすぎると、スイングが乱れやすいので注意が必要です。「ラケットヘッドを肩の高さにとどめる」くらいが目安になります。
「体を向ける」動作は軟式でも使う感覚なので、テイクバックの「体の回転」部分は比較的スムーズに入れやすい印象です。
スイング・打点
打点は体より少し前、腰から胸の高さが基本です。腕が窮屈になったり、伸び切ったりしない距離を確かめます。
両手と体の回転を合わせて振ります。上の手にも役割があるので、添えるだけと決めつけないこと。「力まない」と「使わない」は分けて考えてください。
高いバウンドが来た場合は打点が上がりますが、無理に腕だけで合わせず、打点に入れる位置へ移動することを優先しましょう。
フォロースルー
両手でラケットを持ったまま、体の回転に合わせて振り抜きます。終わりの形だけを無理に作ろうとしないことが大切です。
フォロースルーは、両手と体の回転がつながる形を意識します。フィニッシュだけで、どちらの手を使いすぎているかは判断できません。打点と体の向きを含めて確認してください。
フォアと比較しながら覚えると整理しやすい
バックハンドを習得する上で、フォアストロークとの対比を意識すると整理しやすいです。
フォアは「軟式の癖を修正する」プロセスが中心です。一方バックは「ゼロから作る」プロセス。フォアで苦戦している間にバックを並行して練習すると、苦戦している動きと、できるようになった動きを分けて振り返れます。
フォアストロークで詰まる3つの壁については、こちらの記事にまとめています。
軟式から硬式転向でフォアが打てない——3つの壁と実際に効いた直し方記事を読む →よくある質問
Q. 片手バックと両手バック、転向者にはどちらがおすすめですか?
A. 私は両手バックを使っています。両手と片手にはそれぞれ長所があるので、打点の取りやすさや振りやすさを確かめて選んでください。片手バックはリーチや角度の面で優れますが、安定させるまでに時間がかかります。
Q. 両手バックなのに力が入らない感覚があります。どうすればよいですか?
A. 力み、打点、体の回転を確認しましょう。私には上の手の力を抜く意識が役立ちましたが、上の手を使わないことを勧めるものではありません。
Q. 軟式で裏打ちをやっていた癖は硬式に影響しますか?
A. 私はフォアほど影響を感じませんでした。ただし、握り方や打点に慣れた動作が出るかは人によります。
Q. 硬式のバックハンドを軟式と同じ打ち方で打つのはありですか?
A. 硬式のボールに合わせて、握り方と打点を確かめることを勧めます。片手で打つ選択肢もあります。私は両手バックの方が、慣れた動作に引っ張られずに覚えられました。
まとめ
- 私には、軟式の片手バックから硬式の両手バックへ動作が変わったことで、フォアほど慣れた動きに引っ張られなかった
- 軟式の片手バックと硬式の両手バックは、握り方と動作を分けて考える。硬式では両手バックと片手バックの両方が使われる
- 上の手の力みを減らす意識は私に役立ったが、両手バックは非利き手も使う
- グリップ・テイクバック・打点・フォロースルーの4点を、急がずゼロから体に入れていく
- フォアとバックを分けて振り返り、それぞれの課題を確かめる
軟式と硬式の違いをショット別にまとめた記事はこちらです。
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